驚愕のトランスミュージック

  • 2011/02/22(火) 22:44:18

旅の醍醐味はいろいろ人によってあるのだが、音好きのとって、現地で、生で、地元の人に愛されている音楽に出会うことが何よりの醍醐味だと思う。

新しい場所に入ったらまずは、その街の音楽シーンがどうなってるか発掘していくのが楽しみになるのだが、エッサウィラでは不思議なめぐりあわせで「素敵な瞬間」に出会うことが出来た。

モロッコの港町エッサウィラはグナワ音楽の中心地。毎年6月には世界中のアーチストが集まるグナワフェスティバルが行われる。
この街で生のグナワが聞きたいと、CDショップやゲストハウスなどで聞き込みをするも、如何にもツーリスティックなショーしかないとのこと。

っがとあるCDショップでは「グナワは2種類ある」と教えてくれた。

一つ 伝統的な儀式としてのグナワ
もう一つ 毎年6月に行われるフェスティバル向けのグナワ

そして この二つの違いをCDをかけながら教えてくれた。
 明らかにフェスティバル向けのグナワは、世界中のアーチストとのジャムセッションによるものが中心になるのと派手なサウンドになっている。

こうなると儀式としてのグナワがききたくなる。っがこれは儀式なので「今はわからない」とのこと。

ここで旅の神様が見てくれていたのか。。。
一緒にいた旅人が公衆浴場ハマムに行く際に偶然にもグナワの生演奏が始まるという情報を発見!!!
イスラム暦ではムハンマドの誕生祭。
そして満月。演奏は12時間行われるという。


グナワを演奏するためだけの建物、中庭を囲んだエッサウィラ様式の建物で、演奏者は中庭を囲む廊下のようなところに陣取り、、その真正面は踊れるスペース、その左右横は男子と女子にわかれ座っていて、中庭は人垣が出来ていた。

グナワの演奏スタイルはゲンブリという3弦楽器に鉄製のカスタネットのカルカベとハンド・クラッピング、そして声というシンプルなもの。

ゲンブリの時にゆるいサウンド、そしてベースサウンドを絡ませ、幻惑的なサウンドを奏でていく。
そこにアフリカの複雑かつシンプルなリズムを鉄製のカスタネットとハンドクラップと掛声を組み合わせGROOVEを生み出していく。

もともとスーダンや西アフリカの奴隷から生まれたグナワは、イスラムの神秘主義スーフィーの一つとされ、エッサウィラで生まれたもの。そのため音楽としてだけの要素ではなく、儀式としての意味合いをもつ音楽。

グナワの演奏は主にジン(悪霊)にとりつかれた人たちの精神的治療のために演奏され、人にとりつかれたとされる人達がグナワ集団の元に通っては、儀式を行う。。
ジンにはそれぞれ固有のリズムがあり、グナワ団体が打ち鳴らすリズムがジンの固有のリズムに調和した瞬間、患者はトランス状態に陥りジンとの対面そして和解が始まる。

アラーを唱えることで、神とつながり、神との一体化をトランス状態で体現することを可能とするこのような思想と音楽は、音楽や楽器を禁じられていたイスラムに大きな影響を与えたものとなる。

といろいろと長くなりましたが。
演奏としては12時間以上もプレイすることもあり、いくつかのインターバルを経て、儀式としての一晩行われます。

夜中を過ぎる頃、演奏は深みを増していくごとに、踊る人が増えていく。しかもその踊り方が尋常ではない。演奏者の前にある踊り場には、世話役のようなひとがいて、踊る人が乱れないよう、腰に紐をくくりつけ、または顔に布をかけたりしている。 踊り場と言ってもここはモロッコ、イスラム社会、一心不乱に踊る女性の顔を隠すのだ。
一度 踊り始めた人は、もうどうにも止まらない。ひとによっては大暴れだ。

これほどまでに儀式的、祝祭的要素の強い祭りがあるだろうか。今のこの世の中には数少なくなってきたお祭りがここには残っていた。

このトランスミュージックを生み出す鉄製のカスタネットのサウンドはもともとは奴隷の鉄枷から生み出された音。
人と音楽、そして歴史を感じさせてくれる一夜でした。

モロッコのグナワ音楽  (Gnawa Music from Morocco)モロッコのグナワ音楽 (Gnawa Music from Morocco)
(2006/01/25)
Altaf Gnawa Group

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